2010.6.19−20 赤岳(八ヶ岳テント泊山行)

【日 程】2010年6月19日(土)〜20日(日)
【コース】美濃戸口〜行者小屋△、行者小屋〜(地蔵尾根)〜赤岳〜(文三郎尾根)〜行者小屋〜美濃戸口
【メンバー】pitagon(CL,記)、コーチ、エビちゃん(社外)

【報 告】
 約7年ぶりに八ヶ岳の最高峰赤岳を訪れた。この赤岳は2001年に放送されたテレビ番組でマッターホルンへチャレンジするウッチャンはじめ芸能人たちが、マッターを諦め赤岳登頂部に名前を変更した時に知ったのだが、高校生の頃はこんな山登れるのだろうか・・・と思っていた。しかし、それから八ヶ岳は私にとって身近な山となり、今夏にはYMCでマッターホルンへの挑戦が行われようとしている。赤岳とマッターホルンの不思議な縁を感じずにはいられなかった。

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 朝、9:35茅野発のバス(茅野−美濃戸口900円)に乗るためpitagonとコーチは鈍行で、エビちゃんはあずさで茅野集合。残念ながら期待のオベリスク(社外)が発熱で急遽欠席となったため、今回は3人でのテント泊となった。食糧は事前に抜けるものだけ抜いてきたが、テントなどの共同装備は、4人から3人で分けることになったので重くなったがコーチに頑張ってもらった。

 今回の山行は、週初めに梅雨入りしたので、天気はあまり期待していなかったのだが、ふたを開けてみると山行中一回も降られることなく終えることができた。きっと3人の日頃の行いがすこぶるよかったのだと思う。

 コースは、降り続いた雨の影響で行者小屋までの南沢に沿った登山道は増水し、流れも激しく、ところどころ厳しい渡渉やルートを見失いそうな場所もあった。

 1日目は行者小屋までなので焦らずゆっくり歩く。(テン場1人1000円、水場・トイレ有)行者小屋では一応テント泊体験山行と銘打っているのでいろいろと確認しながら張ることができてよかった。(今回もペグを打たず石で済ませてしまったが・・・)

 しかし、事件は夕飯作りに起こった。先にα米を作り、次にミネストローネを作ろうと3人で野菜を切っているとき、α米の残りのお湯が入ったコッフェルをコンロに乗せたまま3人とも野菜きりに集中してしまったため、コッフェルを確保する人がいなくなってしまった。不安定なコッフェルは見事に倒れ、中に入っていた熱湯が床にこぼれ水浸しにしてしまった。
 火はついておらず、熱湯の中に切ったにんじんを入れていたので温度が下がっていたのも不幸中の幸いだが、一瞬ヒヤッとした。だれも火傷など怪我をしなくて済んで本当によかった。 やはり、火や熱湯を扱う際には細心の注意を払わなければならないと肝に銘じた。

 深く反省をしてテントを出ると外がまだ明るい。ガスがどんどん上がっていき、先ほどまでは白い壁だった辺りが赤岳、横岳、大同心など次々に姿を現してきた。夕日が赤々と辺りを染め上げ、あちこちから歓声があがる。「明日も天気は良さそうよ」と小屋の奥さんが言ってくれ一気にテンションが上がった。 明日は前から行きたかった地蔵尾根から赤岳に登る。

 この日はちょうどW杯のオランダ戦が21時からおこなわれていた。テント内は20時就寝だったが、ITボーイのコーチはスマートフォンと携帯(行者小屋は圏内である)を駆使し、翌朝一番で「日本負けましたよ」と教えてくれた。残念である。非常に残念であった。

 そして天気も残念ながら濃いガスの中からの出発。地蔵尾根は私のエアリアによると、2時間以上かかるのだが、あっという間に地蔵の頭に到着。他の2人のエアリアを見ると1時間10分に短縮されていた。
(梯子と鎖はしっかりとついており、心配ならば3点支持をしながら登ると安心である。雪の場合は滑りやすいようだ。)

 地蔵の頭からは稜線に出るので急に風が強くなる。合羽を着、防風対策をしながら展望荘、山頂小屋へと進み、赤岳山頂に到着した。南アルプスの甲斐駒・仙丈・北岳がうっすら見えている。山頂にはその時間誰もいなかったので、タイマーで集合写真を撮り、小屋でコーヒー休憩をする(400円)。注文を受けてからドリップしてくれるので、とてもおいしい。美味しいコーヒーを飲みながら日本代表が決勝トーナメントへ行くための対戦表をつくってデンマーク戦への観戦シミュレーションをした。

 ゆっくり休めたので、小屋を後にし、下りは文三郎尾根を経由し小屋へ戻る。
 2回目の山頂では小指の先ほどの小さな富士山の天辺が見えていた。最近山で富士山を見ていなかったのでとても嬉しかった。
 文三郎尾根はアミアミの階段が有名だが、今回はアミアミの上に木の板が張ってあるものもあった。どちらにせよ、歩きにくい。ガレた赤い道をそれぞれ滑りながら小一時間で行者小屋まで戻ってきた。

 昨日一緒だった大学生たちのテントはもうすっかりなくなっていた。私たちもバスの時間とお風呂の時間を考慮し、1本早いバスで帰ることにしたため急いでテントをたたみ行者小屋を後にした。幾分水量の減った沢は昨日よりだいぶ歩きやすくなっていてバスの時間にも間うことができた。(美濃戸口―樅の木荘450円)
 温泉は原村にあるもみの湯(500円)に入る。昼時だったからかお風呂は空いていて徐々に登山客で混んできた。

 ビール(生:500円、缶:400円)とカツ丼、親子丼(600円)、飲むヨーグルト(160円)、アイス、ソフトクリーム(各250円)を堪能し、樅の木荘のバス停から茅野駅へと再びバスに乗った。(800円。途中下車って、結構高いんだなぁ・・・)
 帰りは電車の接続が異様に悪かったので、鈍行を諦め、みんなであずさに乗って帰ってきた。

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 今回の山行は慣れに甘んじてはいけないこと、梅雨の山の緑の美しさ、エアリアは、やっぱり新しい方がいいこと。などなど、多くの気づきを与えてくれた。また山に行きたい。山に行くために少しずつでもトレーニングしよう。そういう気にさせてくれた赤岳と参加者に感謝したい。

【メモ】
足立区から参加したエビちゃんによると、「トクだ値」という切符が指定席なのに3割引という破格で買えるそうだ。次から利用したい。