2011.07.30−8.2 上高地−槍ヶ岳−新穂高温泉

【ルート】上高地−徳沢園△−槍沢−槍ヶ岳山荘△−西鎌尾根−双六小屋△−鏡平−新穂高温泉
【メンバ】和名倉山の住人
【天 気】曇りのち雨、時々、晴れ間も見える
 7/30(土)朝一の各駅停車で松本へ。電車の中で、ヘッドランプを忘れた事に気付き、松本のコンビニでLEDランプを購入。松本から上高地直通バスに乗車。途中雨交じりの天気で、上高地についても小雨が降っている。明日も雨の予報のため、当初予定していた霞沢はあきらめて、徳沢園まで行って幕営する。この頃には、雨も止んで、時折、青空も見えて来る。夕方には雨が降り出して来て、降ったり止んだりを繰り返し、明け方には、止んでくれた。

 7/31:今日は天気が良くないとの事で、4時出発で槍に向かう。横尾から登山者も増えて、小中学生らしい団体と、中年男性の2人組、中学生の元気な女の子と御両親の、3パーティと前後しながら登る。この中で最も元気なのが、女の子で、両親を置き去りにして、グングン登って行き、上で親が着くのを待っているという事を繰り返していて、この待っている間に、私も追い付くものの、またすぐに抜き返されてしまう。

 ババ平のキャンプ場を過ぎると傾斜も急になり、雨も降り出した。雪渓が出て来ると、段々、へばって来て足が重くなるが、他の3パーティも同じように遅くなったので、結局、この3パーティには抜かれずに槍ヶ岳山荘に着いた。この頃は、雨と汗でびっしょり。天場は指定され、Cという狭い所だったが、尾根の東側なので、風が強い時には、風避けになって良さそうな場所だった。今回の目的が、北鎌サポート隊として、差し入れをする事だったが、本隊の出発が、悪天で2日遅らせたため、小屋に差し入れを預かってもらう事が出来た。

 テントを張って水も小屋で購入(1L=200円で、3L 600円購入)した。相変わらず霧状の雲が出ているが、雨は止んできたので、頂上を目指す。梯子場は3,4ヶ所あり、上りと下りが分かれている。頂上へ来るのは3回目だろうか。頂上でもガスって何も見えないが、とりあえず、一緒に登った人達を写真を撮り合い、すぐに天場へ戻る。

 1日早く下山するので、1食分多めにある。今日は、鰻の蒲焼とレトルトカレーにする。水はアルファ米と味噌汁で使用しただけ、翌朝のラーメンとコーヒーと合わせて、晩朝で1L使用。2Lを行動用に残す事ができた。夜半に雨も強くなったが、明け方には雨も止んで来た。

 8/1は、双六小屋までの4,5時間の行動なので、ゆっくり4時過ぎに起きる。今朝は奇跡的に晴れ渡り、2500m以下は雲海。常念、大天井、笠、南岳、遠く、浅間、富士、南ア、などが見渡せた。朝飯を食べた後、日ノ出を見てからテントを撤収して出発。西鎌尾根へ下って行く。最初が落石をしそうなザレ場で、ジグザグに下りて行く。

 先行するおじさんがいて、ストックを突いてヨタヨタ下りている感じで、見ていて危なっかしい。声を掛けると、今日は双六までとの事なので、ゆっくり下りれば問題ないだろうと、このおじさんを抜いて先行して下って行った。暫く下りると、後ろで、ガラガラと音がするので、おじさんが落石をしたのと思い、振り返ると、何と、おじさんが横向きになってコロコロと転がって来た。ヤバイと思って見ていたが、10m位転がって何とか停止した。
 私の位置より7-80m位上なので、『大丈夫ですかー』と叫ぶと、上半身を起こしたので、ひとまず意識はあるようだ。次に、『骨折してませんかー』と聞くと、『大丈夫』との事なので、『小屋へ戻った方が良いですよ』と言って、私は先へ行く事にした。

 その後、さらに後から来た単独行の人に話しを聞くと、そのおじさんは、顔を少し怪我した様で、単独行氏も小屋へ戻る様に勧めたが、おじさんは、小屋へは戻らず、西鎌尾根を下って来ているらしいとの事だった。

 千丈乗越で直進してしまい、先のピークで道が消え、GPSで現在地確認。西鎌尾根は千丈乗越で右折して北西に向かっているのに気づいて戻って軌道修正。朝は、あんなに良い天気だったのに、左俣岳付近まで来るとどんどん雲が出はじめる。双六方面から来たおじさんが、雷鳥の親子を見たとの事。やはり雷鳥は天気が悪くなると出て来るようだ。硫黄乗越は、気付かず通過。そこから登り返し、次のピークは右から巻き、その次は左、3番目が樅沢岳になる。樅沢岳を下ると、双六小屋が見えてきた。

 小屋に着いたのは、10時前。天場は一番乗りで、小屋に一番近い砂地の水平な場所に幕営できた。他は皆少し斜めになっていたので、一番良い場所を確保出来た。11時頃に晴れ間も見えてきたので、濡れたものを全て干して乾燥させる。このまま良い天気になるかと思いきや、今日も午後1時半頃に、また雨が降り出し、その後、土砂降りになった。これだけ雨が降ると、テントの隅が浸水し始めたが、その都度タオルで拭き取って、折角乾いた合羽や服が濡れないように気を付けた。

 結局、雨は明け方まで降り続き、8/2の朝は、3時に起きた時は、まだ小雨混じり。朝飯の焼きそばを食べてトイレに行っている間に、雨が止み、テントを撤収して4時に下山開始。鏡平の小屋へ着いた頃には、槍の穂先と、大キレットから雲が取れて、また、昨日歩いて来た西鎌尾根が良く見えた。小屋泊まりの人もそろそろ出発の準備を始めている。小屋の裏手の池の所から谷の中を下る様になり、槍・穂は見えなくなる。秩父沢を渡る所は、天然クーラーのように寒かった。今日は平日だが、わさび平に泊まった人達がどんどん登って来るのを交わしながら、下り5時間10分で、新穂高温泉に到着。9:16発のバスがあり、乗車するとすぐに出発し、平湯には、10時前に着いた。

 平湯からは、8/3 15:30の新宿行きバスを予約していたので、予約を変更し、8/2の14:30発の便にする。変更方法を窓口で聞くと、Web予約のため、Webで変更して下さいと言われ、買ったばかりのスマホを操作して変更完了。さて、バスの出発まで4時間もあるので、まずは、バスターミナル1階のレストランで食事をしてから、3階の温泉で汗を流して、着替えをする。それでも、まだ時間が余っているので、ベンチでのんびりしていると、ひっきりなしに観光バスが来て、大勢が買物や食事をして行く。こんな山の中に、こんな大勢の人がいるなんて不思議な感じだ。14:30定刻通り濃飛バスに乗車したが、ちゃんとスマホで予約変更は出来ていたものの、何故か、私の名前が団体の学生の中にあり、その事を指摘すると、空いている席の方に移動してくれた。帰りは多少の渋滞はあったものの、予定より30分遅れ位で、新宿に到着した。