読地図超々入門
4.コンパスの使い方
1.コンパスについて
・SILVA社のコンパスがお勧め。Ranger 3 プレート付き目盛2度。2500〜2800円位
・日本で買ってください。(南半球では買わないように)
・北半球(日本)では、磁力線は北側が下がっているので、方位磁針の南北が同じ重さだと
水平にならないので、南側(白い方)が、若干長くなっていて、水平になるようにバランスを
とっている。このようにSILVA社では、いくつかの地域に分けて、何種類かのコンパスを
発売しているようです。
・方位磁針の周りには、オイルが入っていて、針の振動を抑えるようになっている。しかし、
ウエストポーチなどに入れていて岩角にぶつかったりすると、ひびが入ってオイルが漏れ、
空気が入る事がある。空気が入ると、方位磁針の邪魔をする事があるので、その時は、
買い換えましょう。
2.コンパスの使い方
コンパスの主な使い方は、以下の3つ。
(1)あの山は、なぁに
(2)どっちへ行ったら良いか、
(3)現在地はどこか(クロスベアリング法)これは、実際には山では使えない。と思った方が良い。
【使い方の基本】
・中のリングの矢印Nは、磁北に向ける。
大地上では→方位磁針の赤の指す方。
地図上では→磁北線に平行に。
・外側のプレートの矢印は、目的の山、進行方向に向ける。
2-(1)あの山は、なぁに
現在地が判っていて、そこから見える山が何かを知る方法。
・目的の山に向かって正対する。
・コンパスを胸の前で水平に構え、プレートの矢印を目的の山に向ける。
・リングを廻して、リングのNを方位磁針の赤と重ねる。
・地図の現在地に、プレートの縁を合わせて、リングの中の平行線を磁北線と平行になる
ようにコンパスを動かす。この時、、絶対リングは回さない事。
このプレートの縁の延長線上にある山が目的の山となる。
2-(2)どっちへ行ったら良いか
藪山や雪山で、踏み跡が無い尾根を下るような場合に用いる方法。
・地図の現在地から、進みたい方向にコンパスのプレートの縁を合わせる。
(この時、なるべく近い距離で合わせる事。尾根が曲がっているような時は、曲がる
手前に合わせる。)
・プレートが動かないように気をつけて、中のリングを廻し、磁北線に平行になるように
セットする。
・地図は外して、コンパスを胸の前で水平に構え、方位磁針とリングのNが重なるように
自分の体を回す。この時、絶対リングは回さない事。
・プレートの矢印の示す方向に、まっすぐ進む。しかし、藪山などでは、木があったりして
まっすぐ進めないので、なるべく遠くの目標物を目指す事。例えば、プレートの矢印の
延長線上に、2又に分かれた木があった場合、そこへ行くまでは、倒木や藪を避けて
歩き易い所を選んで歩いて、最終的には、2又の木に近づくようにする。そこで、再び
目標となる新たな木を見つけて進む。
2-(3)現在地はどこか(クロスベアリング法)
目標となる山や送電鉄塔などを2つ見つけて、その角度を求め(2-(1)参照)、地図上に
目標物から線を引く。その線の交わった点の付近が現在地。目標物を3つにすると、3本
の線の交点。ただし、きっちり1点で交わる事は無いと思いますので、出来た三角形の
付近が現在地となる。
ただし、稜線上に居れば、現在地が分からない事は無いでしょう。現在地が分りにくいの
は、谷筋に入った場合など。しかし、谷筋で目標物を2つ以上見つけるのは難しく、また、
目標物が遠過ぎると、誤差が大きくなり、現在地特定が難しくなる。また、平らな机などの
無い屋外で、直線を引くこと自体が難しい。
という事で、実際に山では使えないと思った方が良い。
現在地がどこか分からなくなってからコンパスを使うのではなく、道迷いの前に読地図を
しましょう。迷わないための読地図と考えてください。