読地図超々入門

5.歩行中の読地図、現在地確認(山行中)

1.道迷い
 ・遭難しない為には、どうすれば良いか?それは、道に迷わない事。(当たり前!)
 ・なぜ道を迷うのだろう。
 ・道迷いの原因は、男性は『思い込み』、女性は『おしゃべり』だと、よく言われる。
  こっちで良いんだろうと思って地図を見ようとしない。ぺちゃくちゃ喋っているうち、分岐点
  を見落としてしまった。皆さんは、こんな事はありませんか?
  先日も芋ノ木ドッケから長沢背稜を歩いた時、後ろから来た中高年のパーティが、ヤケノ
  頭で、南東の尾根に入ろうとしていた。そのパーティの先頭を歩いていたおじさんが、こっち
  で良いんだと言って地図を見ようとしなかったのだが、後ろを歩いていたメンバーのおば
  さんに、指摘されて、訂正したようだった。
 ・『道を見失う』のと『道に迷う』のは、違います。
  元々踏み跡の薄い藪山や、廃道を辿る時、一部完全に藪が覆いかぶさり、全く道が消え
  てしまっている事が良くあります。(足尾の六林班峠−男山など) これは道を見失った事
  になりますが、自分がどちらに進めば良いかが分かっていれば、道に迷っている訳では
  ありません。

2.目印
 ・通常、登山コース、ハイキングコースの一般路を歩いている場合は、紛らわしい分岐点等
  には、何らかの印が付いている事が多い。例えば、入ってはいけない踏み跡の方には、
  木の枝を横に積んで通せんぼしてある事があるが、これを見落として跨いで踏み込むと
  それが、道迷いの第一歩となる。中禅寺湖南岸の黒檜岳から社山に向かって歩く時、
  1792mの先のピークから尾根は東北東に伸びているがこちらには、木の枝で通せんぼ
  してあり、登山道はここで右に折れ、社山との鞍部に向かって下りて行く。進行方向側が
  ×で、直角に右に折れる方が○なので、こういう場所は、最も間違いやすいところだ。
  先の長沢背稜ヤケノ頭の場合も、同様、道なりが×で、左に折れる方が○。ここには、
  左に折れる道に赤布が(木にテープが巻きつけて)あった。
 ・赤布(あかふ)、ビニールテープ、荷造りのビニール紐等。これらひっくるめて赤布と称する。
  赤布は、進んでも良い道。一方、岩にペンキで×が描かれていたら、そっちへ進んでは
  いけない。ちなみに、通常、赤信号は止まれだが、赤布は、止まれではない。では何故
  赤なのか。それは、目立つ色だから。山は夏は木々の緑、冬は雪で白い世界になるが、
  どちらの場合も、赤は目立つので、昔から赤い布が用いられて来た。

3.ここでやっと地図を読む話し
 ・地図を良く読みましょう。単に眺めるのではなく、良く読み取ってください。
 ・登山口から下山口まで、全て記憶する必要はありません。次の1ピッチ(次の休憩までの
  30〜60分)で歩く範囲は、頭に入れておこう。

 【どういう点に着目して読地図したら良いか】
 ・登山道が分岐しているところ、合流しているところ。
 ・登りから下りに変化するところ(小ピーク)、下りから登りに変化するところ(鞍部)
 ・等高線のゆるい所と、なところ。
 ・道が右に折れているところ、左に折れているところ。
 ・沢を渡る所。(水色の水線は、川幅1.5m以上。水線が無くても細い川が流れている)
 ・岩場、ガレ場、ザレ場、崖、等の危険な場所。
 ・植生が針葉樹か、広葉樹か、あるいは荒地、ハイマツ。
 ・送電線、送電鉄塔、高速道路、鉄道などと交わる地点。
 ・山と高原地図(エアリアマップ)などでは、鎖場や『』『』マークのある場所。

 ・こういった点に注意して、地図を読んだら、次の1ピッチ分のルートを声に出して、他人に
  説明して見てください。例えば、『50m程 急登をすると東西に延びる支尾根の上に出て、
  この尾根を右に折れ、20m程の小ピークを3つ程越えると、再び下りになり、最低鞍部に
  着く』等、ガイドブックにあるようなコース説明ができるようになれば、もう初心者卒業です。

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